宮本町(みやもとちょう)
人 形日本武尊(やまとたけるのみこと)
・12代天皇である景行(けいこう)天皇の子供。九州の地で熊襲(くまそ)を討った「くまそたける」から「やまとたける」と名乗るように告げられた。後に東国を平定したと言われ、日本書紀・古事記・尾張国風土記などに出てくる伝説の人物で、古代大和の勇者。
作 者三代目原舟月
製造年明治15年(1882年)
お囃子逢魔(おうま)囃子、神田囃子、神楽囃子、屋台囃子
検 証【昭和54年頃の観光パンフレット】に記載されている解説
・見送り幕:もえぎ色・梁器模様
・四方幕:狸・緋雲竜模様、玉亀・執鍼の銘
・製作年代は幕の格納箱に明治15年11月3日調製とある。
特 徴・宮本町の山車の最大の特徴は、山車の台車から上全体が360度回転するということです。宮本町の山車は四輪が同じ大きさで舵が利きません。曲がり角では無理矢理、舵を切っています。しかし道路上でのUターンは不可能ですので、Uターンする場合は、上部を180度回転させて、梶棒を反対側につけ直してUターンします。ちなみに回転している最中はお囃子を必ず縫魔囃子に切り替えます。
・また、以前は曲がり角で無理矢理曲がっていたので、道路のアスファルトを削ってしまったり、最悪車輪のシャフトが折れてしまったこともありました。最近では山車の重心にジャッキを備え付け、急角度で曲がる場合は、ジャッキアップで山車を浮かせ気味にして曲がっています。
平成14年の大修理の際に、隠し車をつけて3輪状態で曲れるように改造しました。
山車契約書「日本武尊人形三重高欄仕様書」

一、人形高サ六尺余頭木彫玉眼入布キセニ仕金貳拾五円
  堅地ニ塗上ケ毛植はちまき白本金錦
  前ニ立雲ニ日輪金物深彫ニて箔差めつき
一、手足同様桐ニテ彫上ケ布着セ堅地ニ塗上ケ金貳十円
  くツ極さい色ス子栗毛の羅紗ニテ包
  年々取還ニ相成候様ニ仕ル
一、人形桐箱組仕上右之上しふセんニ張上ケ此分手足之分ニ
  極念入 御座候代金
一、御弓 壱張
  巾壱寸長八尺黒□色ニ塗上しけとうまき
一、矢 九本三品
  羽根わしの丸羽矢竹ため塗羽中〆金 拾三円
  本金箔矢筒黒塗玉ふち金ひモ源氏
  打長サ壱丈
一、人形之剣金 拾五円
  木彫ニ仕かふし箔三へん置金物唐草彫
  箔差房本紅手セ分ニて長サ壱丈フサ六寸
一、人形上着 壱ツ綿 百八拾匁切一尺
  大袖かりきぬ白茶本金綿裏紫シス金 七拾五円
  右之品ニて仕立綿 二丈五尺入用
一、御袴綿 一尺百六匁切
  紺地本金綿裏河内木綿ニて仕立金 三拾円
  御袴ノ色者見はからエニいたし申候綿 壱丈二尺入用
一、手袋百八拾匁切五尺
  赤地本紅本金ノ綿つゆノ糸紫八ッ打ヲ付金 拾七円
  裏かわち木綿口紫シス五尺
一、右之帯黒塗右紫唐打糸ニて附
  前平尾五色ノヨリ糸本金砂ニてぬイ上ケ木彫
  鬼面玉眼入うるシ箔置ニて附金 七円五拾銭
一、ゑり附 五枚重此分代金 下着ノ内ニ入
  白里んず白凌上着本紅本金綿
一、立物之剣綿 九尺入用
  木彫布着セかふし箔弐へん置ニ仕長サ三尺余金 四拾五円
  剣之サヲ黒塗金物ヲ打綿 百八拾匁切
一、同ハタ本金綿日月ヲ金物ニて附雲五色ノ
  ヨリ糸ニて縫ジク金物ニい多し唐草深彫
  箔差めつきヒモ手セ分紫八ッ打房附
一、日本武尊前錺 まかたま金 拾三円
山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)の作
 天保7年6月10日(1836年7月23日) - 明治21年(1888年)7月19日)は幕末の幕府家臣、明治時代の政治家。鉄舟は号。通称鉄太郎。諱は高歩。千葉周作門下の剣客で、江戸幕府剣術世話役。勝海舟、高橋泥舟とともに「幕末の三舟」と称される。
幕の新調宮本町自治会記念誌より(H16年11月3日発行)
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