オランウータンの現状
謎が多いオランウータン
 マレー語でオランウータンが「森の人」という意味であるのは有名なことだが、いざその生体については謎が多いそうです。
その理由としては、群れを作らず基本的に単独生活なため、調査がしづらい。1頭だけを観察すると、他の個体が一切観察できなくなってしまうそうです。ある研究者は半年間のフィールド調査を4回行って、交尾を観察できたのがたった6回だそうで、高温多湿のジャングルの中で10cmも体長のあるヒルに吸い付かれながら、樹上にいるオランウータンを観察する研究者が少ないということもあります。また、1日中食べて寝るだけの単独生活が主なので、論文が書きにくいということもあるようです。
 実際にオランウータンについて書かれた書物を探してもほとんどなく、サルやチンパンジー、ゴリラばかりが目につきました。


オランウータンの生息地域
 カリマンタン島(ボルネオ島)とスマトラ島の2島のみに生息。
はっきりした生息数は不明だが、絶滅に向かっていることは確か。
3万頭〜5万頭という説と2,500頭という説がある。

(2003年12月追記):最新データとして米国のT・プチンスキー氏の研究で、ボルネオ島に10,200〜15,500。スマトラ島に3,500。このまま放置すれば早くて10〜20年で絶滅とのことです。

食生活
 熱帯林の豊富な果実以外に木の葉、樹皮、木の実、シロアリ、昆虫等。特にドリアンが大好物。動物園で飼育されているオランウータンは栄養過多で肥満が多いそうだ。

知能
 別名「森の哲人」と呼ばれるほど、いつも考え事をしているように見えるが、何を考えているかは不明。チンパンジーと同等以上の知能があるという説もある。有名な行動としては、雨が降ってくると、木の葉や小枝を頭の上にのせて、雨よけの傘のかわりにするといった行動があるが、実際には小さな枝では効果はないとのこと。
 上の蟻塚に棒をさして蟻を食べているアニメgif は、実際はゴリラです。オランウータンは蟻塚に口をつっこんで、口の周りを蟻だらけにして食べるそうです。


生殖活動
 4〜5年に一度、1頭を出産する。9〜10年と言う研究者もいる。交尾は人間に近いせいか、サルの仲間では珍しく対面位で行うことも多く、その時間もサルの仲間では最も長い。

参考文献

・サル学の現在  立花 隆 平凡社

更新履歴
・2001年9月 ラサリア、タンジュンアルーで公開開始
・2005年5月 ネクサスリゾート・カランブナイ情報追加